マンションの全館空調って実際どう?家庭用エアコンで行う最新システムのメリット・デメリットを解説!

エアコンの豆知識

家庭用エアコンでマンションの全館空調?

最近、マンションでも「全館空調」を導入する物件が増えてきました。
とくに2025年1月に家庭用ルームエアコン1台で全館空調を実現する新システムが発表され、話題になっています。

大京とフジモリ産業は2025年1月15日、東京大学 准教授 前真之氏と東京理科大学 准教授 高瀬幸造氏との共同研究により、マンション向けにエアコン1台の全館空調システムを開発したと発表した。

家庭用エアコン1台でマンションの全館空調システム、大京が東大らと共同開発
大京は、エアコン1台による全館空調が可能なマンション向け空調システムを開発した。天井の吸込口や天井内のダクトを通じ、エアコンから出た気流を各部屋に送る仕組みだ。

全館空調って本当に快適なの?メンテナンスは大変?自分の今のマンションにも導入できる?」
そんな疑問を持つ方のために、最新システムのメリット・デメリットを分かりやすく解説します!

では、さっそく見ていきましょう!

  • 最新システムのメリット・デメリット
  • 自分のマンションにも導入できるかどうか
  • みなさんが情報を集める代わりに私がまとめます!


そもそも全館空調とは?

「全館空調」とは、住宅全体の温度・湿度を一括管理する空調システムのことです。
一般的なマンションでは、各部屋にエアコンを設置する「個別空調」が主流ですが、
全館空調では一つのシステムで家全体の空気をコントロールします。

従来の全館空調の課題

導入コストが高い(専用の空調設備が必要)
大規模な工事が必要(新築マンションでないと設置が難しい)

このような課題があるため、全館空調は主に一戸建ての高級住宅向けとされてきました。

最新の全館空調システムとは?

今回発表された新システムでは、家庭用ルームエアコン1台で全館空調を実現するという画期的な技術が導入されています。

  • 既存マンションにも導入可能(天井裏にコンパクトな設備を設置)
  • 省エネ&電気代の削減が期待できる
  • 温度ムラを抑え、快適な住環境を提供

従来の全館空調に比べて、より手軽に導入できる点が大きな強みのようですね。

マンションでの全館空調の未来

この技術の進化により、マンション市場でも全館空調が一般的になる可能性が出てきました。

  • 新築マンションでは標準装備になる可能性
  • 既存マンション向けのリフォーム市場が拡大
  • 電気代削減&省エネ性能向上で注目度アップ

特に、ZEHマンションなどの環境配慮型マンションと組み合わせることで、よりエコで快適な住まいが増えていくかもしれないですね。

家庭用エアコンによる全館空調ってどんなシステム?

「全館空調」と聞くと、専用の大規模な設備が必要なイメージがありますよね。
しかし、今回発表された最新システムでは、一般的な家庭用ルームエアコン1台で家全体の空調をまかなうという画期的な仕組みになっています。

仕組みのポイント

リビングのエアコンをメインに使用 → その風を天井裏のダクトを通じて各部屋に送る
天井裏にコンパクトな空調設備を設置 → やや天井が下がる
通気ルーバー」で空気を循環 → ドアを閉めた状態でOK

市販の家庭用エアコンで全館空調できるのが新しいところですね!
今までもマンションで全館空調はあると思いますが、専用のエアコンを買う必要があると同時に家庭用のものと比較してかなり高額であったためコスト面もよさそうです。

次に、このシステムを導入するメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう!

家庭用エアコン全館空調のメリット3選

①電気代、初期費用を節約できる!

全館空調と聞くと「電気代が高そう…」と思われがちですが、エアコン1台で家全体を冷暖房できるため、個別にエアコンを複数稼働させるよりも電力消費が抑えられる可能性があります。

また、エアコン設置台数が少なくなるため、例えば3LDKだとエアコン4台から1台へと導入初期コストがかなり下げることができます。

②すべての部屋を空調できる

当たり前かと思われる方もいるかと思いますが、マンションでは構造上エアコンを取り付けられない部屋が出てくることがあります。その理由としては、室外機を置く場所が無かったり、配管通し穴をあけられなかったりと様々な制約により取り付けられないことがあります。

一方、この全館空調ではその問題はなく、すべての部屋を空調することができます。

③既存マンションでも導入しやすい

従来の全館空調は新築物件でないと難しいことが多かったですが、このシステムは天井裏にダクトと送風機を設置するだけなので従来よりも導入しやすくなっているようです。
そのため、大規模リフォームをしなくても導入できる可能性があります!

家庭用エアコン全館空調のデメリット4選

①部屋ごとに温度調整しづらい

引用記事によると、リビングのエアコンで個室1~3をそれぞれ冷やしていますが、
例えば個室1に暑がりの人がいて、個室2に寒がりの人、そして個室3に誰もいないとします。

このとき、暑がりさんはもっと温度を下げたいが、個室1の温度も下げると個室2の温度も連動して下がってしまうため、寒がりさんと温度の取り合いになってしまいます。

また、個室3も誰もいないのに冷やしてしまい、無駄なエネルギーが発生する可能性もあります。

ちなみにこれは部屋それぞれで風量の調整などができるのでしょうかね。
そこだけ気になります。。

②エアコンが故障すると家全体が影響を受ける

これは全館空調全体の話ですが、通常の個別空調なら1台のエアコンが壊れても他の部屋は使えますが、このシステムではメインのエアコンが故障すると、全ての部屋の空調がストップします。

発生頻度は低いですが、真夏や真冬など空調業者の繁忙期にこれが起こると、新しいエアコンの導入に一週間ほどかかることもあり、かなり大変な状況になる可能性があります。

③メンテナンスの手間が増える

一般的なエアコンはフィルター掃除程度で済みますが、このシステムでは天井裏のダクトや通気ルーバーの掃除がおそらく必要になります。
長期間メンテナンスを怠ると、ホコリやカビが溜まって空気の質が悪化する可能性があるので、定期的な点検が必要になります。

また、天井裏の送風機に冷たい風が流れて、天井裏の空間の湿度が高い場合は送風機の表面が結露する可能性もあるかなと思っています。さすがに結露対策はされると思いますが、断熱不足の場合に不具合が起きる可能性が多少あるかもしれないです。

④断熱性能によって効果が変わる

マンションの断熱性能が低いと、全館空調の効果が十分に発揮できないことも。
築年数の古いマンションに導入する場合は、窓の二重サッシ化や断熱改修などの対策を検討するとよいでしょう。

ただ、そこまでして導入するかは要検討ですね。

全館空調を導入する前にチェックすべきこと3選

これらのメリットデメリットを踏まえたうえで、導入を検討する際は下記内容をチェックしてみましょう。

①断熱性能を確認する

全館空調の効果を最大限に活かすには、住まいの断熱性能が重要です。
古いマンションでは、断熱材の不足や窓の性能が低い場合があるため、事前に断熱改修が必要なケースもあります。

🔹 こんな人は要注意!
✔ 1980年代~90年代築のマンションに住んでいる
✔ 冬に窓の結露がひどい
✔ エアコンをつけてもすぐに部屋が寒くなる


②部屋ごとの温度調整の必要性を考える

このシステムでは、家全体の温度を統一するため、「寝室だけ温度を変えたい」といった細かい調整が難しくなります。

🔹 こんな人は要注意!
✔ 部屋ごとにエアコンの設定温度を変えたい
✔ 家族のライフスタイルがバラバラ(在宅時間が違うなど)


③メンテナンスの手間を考慮する

全館空調では、天井裏のダクトやフィルターの清掃が必要になります。
通常のエアコンよりもメンテナンスがやや大変なので、「掃除をあまりしたくない」という人には向かないかもしれません。

🔹 こんな人は要注意!
✔ 掃除やメンテナンスをなるべく減らしたい
✔ ダクト内のカビやホコリが気になる⇒そもそも掃除できるのかな?

まとめ

最新の全館空調システムにより、マンションでも手軽に全館空調を導入できる時代が来ています。
今後、さらに省エネ性能が向上し、新築・リフォーム市場ともに普及していくことが期待されます

とはいえ、「全館空調=万能」ではありません。
導入前にはライフスタイルに合っているか? 断熱性能は十分か? などをしっかり確認しましょう。

快適な住環境を手に入れるために、まずは自分の住まいを見直すことが大切だと思います!

引用

ITmedia
https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2502/04/news173.html

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