室外機カバーで「本当に節電になるの?」「冷房効率って上がるの?」と気になっている方へ。
また、すでに使っているけど「効果あるのかな…?」と感じている方にも向けて、今回は室外機全体を覆う日よけタイプのカバーを使い、実際に検証してみました!
ネット上では「効果あり」「意味ない」などさまざまな意見がありますが、果たして実際はどうなのか?気になる方は、ぜひ最後までチェックしてみてください!
※今回の内容は、あくまで筆者の環境(自宅のエアコン)での検証結果です。ご参考程度にご覧ください。
室外機カバーのタイプ
一口に「室外機カバー」といっても、実はさまざまなタイプがあるんです。
ざっくり分けると、主に以下の3タイプに分類できます。

今回は、タイプ②の日よけがメインの室外機カバーを検証していきます!
使用する室外機カバーは?
今回使用する室外機カバーはコチラです。
この商品の特徴は以下のようになっています。
- 室外機の頭を冷やすというよりは室外機全体を陰にして温度を下げる。
- 組み立てが必要
- 室外機の頭とマジックテープで取り付けるので脱着が簡単。
特徴① 節電できます

説明を見てみると、「使用開始時の消費電力が抑えられ、約3円の節電になる」とのことです。ただしこれは1時間あたりの数値なので、最初の10分間で見ると約0.5円の節電にとどまります。
10分以降のデータがないため正確なことは言えませんが、少なくとも今回のデータだけを見ると、エアコンを起動するたびに0.5円程度の節電効果があるということになります。
ただ、今回の検証で注目したいのは起動時の効果ではなく、通常運転時にどれくらい差が出るかという点です。
特徴② 冷却スピードが速い
次に冷却スピードについて。
説明によると、10分で室温が3℃下がるとのこと。もしこれが「起動時の外気温・室温・太陽の位置」などが完全に同じ条件での比較であれば、かなり効果があると言えそうです。
実際のテスト風景(下記の写真)を見ると、同条件とは言い切れない印象を受けました。決して粗探しをしたいわけではないのですが、「自分で検証する際にも条件を揃えるのは難しいな…」と感じていたところで、少し気になる点があった、という程度です。
- 風量や設定温度が同じかどうかは不明(ただし、同条件で測定されていると推測される)。
- 赤外線ヒーターの影の向きから、測定時刻や太陽の位置が大きく異なる可能性がある。
- 測定時刻が異なると、外気温にも違いが出る可能性がある。
- 測定時刻が異なると、太陽光の当たり方も変わり、室外機への熱負荷に影響する。
- 左の写真では、室外機背面の熱交換器が直射日光を受けており、太陽が室外機の背後にあると考えられる。
- 一方、右の写真では太陽が前面側から当たっており、熱交換器が日陰になっているため、負荷が軽くなっているように見える(※あくまでも推測)。

特徴③ 見た目がいい!

ここはひとによるかもしれないですが、アルミシートの室外機カバーよりもおしゃれじゃないでしょうか?
アルミシートよりも陰になる部分が圧倒的に多いので、効果は期待できそうです。質感も安っぽくなく、普通に使えると思いました!
検証してみた!

今回は、以下の条件で検証しました。
- 測定日:カバーありとカバーなしの測定は別日で行う。
- 天気:晴天。気温35℃程度
- 外気温:室外機の背面で測定。天気予報の確定結果も参考にする。
- 室外機:南向きで直射日光あり
- 室内:リモコン設定温度を25℃で固定
- 室外機温度:表面温度を測定
- 電力測定:ワットチェッカーを使ってエアコンの消費電力を計測
結果:消費電力、冷房の効きに変化はないように思う
別日で計測したデータを同じグラフにまとめています。(計測開始は9:00頃で統一しています)
太線(色が濃い)のグラフが日よけカバーありの結果で、細線(色が薄い)はカバーなしの結果です。

室外機表面温度(黄色のグラフ)
室外機カバーがない方は雲の影響もあって多少上下していますが、直射日光を受けると最大50℃くらいまで上がっている一方で、日よけアリの場合は、38℃くらいで一定していて室外機の冷却効果はありますね!
ただし、冷却効果はありますが消費電力の削減にはつながっていないようですね・・
以前、濡れタオルで室外機を冷却する検証も行いました。気になる方はぜひ見てください!

外気温(赤色のグラフ)
室外機背面で温度を測定しています。外気温はエアコンの消費電力にかなり影響があるのでここが一致していないと、比較検証ができません。幸いにも、別日ではありましたが、経過時間が200分以降はだいたい同じ外気温になっているので、200分以降の消費電力で比較することができます。
外気温(天気予報)(緑色のグラフ)
室外機背面で測定している外気温が同じだったことから、比較検証が可能だと判断しました。ただし一方で、もし背面以外の室外機周辺の温度が異なっていて、室外機カバーの影響で背面の温度(=外気温として測定している値)が低くなっている可能性も考えられます。
そこで、1時間ごとの天気予報データも確認し、測定期間中の外気温に明らかな差がないかをチェックしました。ざっくりとではありますが、200分以上のデータを見る限り、おおむね同じ気温の推移になっているように見えます。
以上から、グラフにある外気温(赤色グラフ)の一致は、室外機カバーによる影響ではないと考えています。(純粋に外気温が同じだよね?の確認です)
室内温度(青色のグラフ)
設定温度25℃でエアコンを動かしていますが、25~26℃あたりで安定しています。若干ですが、カバーありの方が温度が高くなっていますが、誤差レベルなので同じとみていいと思います。消費電力を踏まえても冷房効率が上がっているようには見えませんでした。
起動時の冷却スピードについては、最初の室内温度が2~3℃違っており、条件が揃えられなかったため検証はできませんでした・・
消費電力(黒色のグラフ)

外気温・室内温度ともに同じ条件での測定でしたが、室外機カバー(日よけ)ありの方が消費電力がやや高いという結果になりました。
とはいえ、測定環境は完全に一致していたとは言い切れないため、消費電力に大きな差はなく「変化なし程度」と考えるのが妥当かもしれません。
いずれにしても、今回の検証では「室外機カバーに節電効果がある」とは明言しにくい結果となりました。もちろん、設置環境によっては効果が出るケースもあると思いますが、少なくとも我が家の環境では明確な節電効果は見られなかったと感じています。
結局、つけない方がいいの?
つけるべきかつけないべきかは目的によると思います。私が思うところをまとめておきます。
室外機カバーの目的 | 効果 | 補足 |
---|---|---|
節電 | △ | 設置環境によるかも |
冷房の効き | △ | 設置環境によるかも |
室外機保護 | ○ | 屋根のない設置場所や劣化対策として有効 |
やけど防止 | ○ | 小さなお子様やペットがいる家庭では安心 |
外観の向上 | ○ | 見た目はいいと思います! |
防雪・防霜 | △~× | 冬は逆に直射日光に当てて、少しでも熱を取り入れた方がいいのでは?と思っています。 |
将来的にエアコンを売ろうと思っている方は室外機の傷汚れ防止でつける意味はありますね。また、室外機の表面温度は50℃以上の熱があるので、お子さんやペットいる方はちょっと安心できるかもしれないですね!
こういった目的があるのなら、買うのはアリですね!節電や冷房効率UP目的なら、ちょっと微妙かもです。ただし、私の単なる検証にすぎないので参考まででお願いいたします。
まとめ
私のエアコンの設置環境では節電効果は見られませんでしたが、別の環境やエアコンによっては効果があるかもしれません。これは私自身も分からないので個人の判断によります。
「何もしないのもなあ…」と思っている方は、ぜひ一度試してみてください!
劇的な効果が出るかはさておき、省エネ性能が下がるようなリスクはほぼないと思うので、試してみる価値は十分あるはずです。
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